2019年に世間を騒がせた「老後2000万円問題」をきっかけに、将来への不安から資産形成への関心が爆発的に高まっています。2019年12月に発表された2020年度の与党税制改正大綱により、少額投資非課税制度(NISA)の大幅な見直しが決定しました。SNS上でも「老後の資金作りに追い風が吹いた」「今からでも遅くないかも」と、現役世代だけでなく定年を迎えたシニア層の間でも大きな話題を呼んでいます。
今回の法改正によって、投資で得られた利益に税金がかからなくなるお得な期間がそれぞれ延長されることになりました。一般NISAは2028年まで期間が延び、2階建ての新しい仕組みへと生まれ変わります。そして、コツコツ長期間積み立てる「つみたてNISA」は2042年まで期限が延長される方針です。これにより、2023年までに運用をスタートすれば、誰でも丸々20年間は税金ゼロという大きなメリットを享受できるようになります。
定年後だからこそ始めたい!インフレからお金を守る賢い選択
「長期投資なんて若者向けでしょ」と、シニア世代の皆様は自分に関係がないと思っていませんか。確かにこれまでは、貯めてきたお金をどう切り崩していくかが定年後の主流な関心事でした。しかし、これからの時代はただ預金に眠らせておくだけでは危険だと言えます。なぜなら、物価が上昇してお金の価値が目減りしていく「インフレ」のリスクが常に潜んでいるからです。今ある購買力をキープするためにも、投資は強力な味方になります。
つみたてNISAの本質は、世界中の様々な資産に小分けにして投資する「グローバル分散投資」にあります。これによって、大きな損をするリスクを抑えながら、世界経済の成長の恩恵を効率よく受け取ることが可能です。退職金を一度に全額投資するような危険な真似はおすすめしません。銀行口座に預けた退職金から、毎月決まった額を自動で引き落として投資信託を買い付けていく手法こそが、シニアにとって極めて合理的な選択肢となります。
私は、この制度の最大の魅力は「いつでも解約して現金化できる柔軟性」にあると考えています。人生には、自宅のリフォームや子供の結婚資金への援助など、想定外の大きな出費がつきものです。そんな時でも、つみたてNISAなら必要な分だけ自由に取り崩すことができます。普段の生活費とは別に、いつでも使える「心のゆとりポケット」を持っておくことは、リタイア後の人生に極めて大きな安心感をもたらしてくれるはずです。
80歳で800万円の安心を!不透明な医療・介護費への備え方
老後の生活で最も頭を悩ませるのが、いつ発生するか分からない医療や介護の費用ではないでしょうか。総額がいくらになるか予測できない不透明さこそが、シニアの不安の根源です。ここで具体的な数字をシミュレーションしてみましょう。つみたてNISAの投資上限である年間40万円を毎年満額で積み立てていくと、20年間で投資の元本は合計800万円に達します。もちろん運用成績は変動しますが、大きな安心の盾になることは間違いありません。
例えば60歳から積立をスタートし、80歳のタイミングで800万円のまとまった資産を作るという計画は、非常に現実的で賢明な選択肢だと言えるでしょう。投資に「もう遅すぎる」という言葉はありません。大切なのは、将来の健康リスクに対して今から具体的な準備を始めているという、その前向きな行動自体です。自分で未来への備えを進めているという手応えこそが、これからの長いセカンドライフを心豊かに生き抜くための最高の特効薬になります。
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